比例道
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+ねじと−ねじ

+(プラス)ねじと−(マイナス)ねじの特徴について再考してみる

プラスねじ(外国文献ではフィリップスねじ)の方が高級な感じがするが、安直にプラスねじを選んで良いのか疑問に思うときがある。私の学校の機械工学科ではこのふたつのねじの比較についての講義や議論はなかった。

+ねじの利点

  • 押しつけると工具とねじの軸が自動的に合う
    • おそらくこれが+ねじの最大の利点だろう。モーター駆動のねじ回しを使う場合はこの性質が必須となる。
  • ねじが工具にくっついて作業性が良い
    • 高精度のねじと高精度の工具を使うと、マグネット式でもないのにねじが工具にくっついて作業しやすい。しかし、こんな状況は希だ。
  • 頭の平らななべねじで、上面が平らにできる
    • 上面を平らにするのは−ねじでもできない訳ではないが、やりにくい
  • ねじをなめにくい
    • 一般にこう言われているが、これは誤解ではないかと思うようになった。確かに+の方が工具とねじ頭の接触面積が大きいのでなめにくいように思える。しかし、接触面積が足りずにねじ頭が負けてしまうようななめ方は珍しい。実際は工具がずれて半引っかかり状態のときに回した結果なめてしまう事故の方が多い。+ねじは溝がテーパーになっている関係でそのテーパーに沿って工具の先が動き易くねじの頭からはずれやすい。手回しの場合は+ねじの方がねじをなめやすいと思う。


もっと−ねじを見直そう

中国製の+ねじの頭の中心と軸の中心が合ってなくて、回すのに苦労したことがある。−ねじならば工具の方をずらすことで対処できたと思う(中国製のねじなんか使うな!の声が聞こえてきそうだが)。また、前述のようねじ頭をなめる事故は+の方が多い。モーター駆動の自動ねじ回しならば+ねじでないと困るのだろうが、手回しの場合はもっと−ねじを使ってよいと思う。−ねじならばねじの工作精度が悪くても工具の当て加減で調整できるし、ねじ頭をなめる事故も少ない。