UXGA 4画面 マルチモニタ
10年前からマルチモニタに凝ってしまい,今のメインマシンは1200x1600の21インチ縦型液晶モニタの4画面横並びだ.つまり4800x1600の広いデスクトップだ.機械の設計をするにもLSIの設計をするにも,広いデスクトップは便利だ.ただし,この環境を実現するまでに試行錯誤が数百回,屍となった(壊れたのではなく,使われずに無駄になった)ビデオカードは数十枚にのぼる.結果的には必要なビデオカードを2枚買えば済むだけだったのだが.
Appleの30インチCinema Displayも使っている.こちらはデュアルリンクDVI接続で2560x1600だ.映画鑑賞の場合は1枚画面であるAppleの30インチの方が断然良いが,設計などディスプレイ間に桟があってもかまわない用途ならば,21インチ×4の方が広くて良い.
30インチ以上の液晶は今後もなかなか現れそうにない.となるとマルチディスプレイもまだまだ役立つと思うので,昔を思い出しながらここにまとめてみようと思う.
基本 マスターとスレーブ
どのビデオカードもマスター(1枚目)にはなれるが,スレーブ(2枚目以降)になるのは条件がある.最近のものはスレーブになれる確率が高くなったが,古いものは確率が低い.
ベンダー | カード | タイプ | スレーブ | 備考 |
---|---|---|---|---|
S3 | 86C811 1M | ISA | × | |
S3 | 86C924 1M | ISA | × | |
S3 | 86C868 1M | PCI | × | |
S3 | 86C765 1M | PCI | × | いわゆるTrio64V+ |
Trident | 8900 512K | ISA | × | |
CirrusLogic | GD5424 | ISA | × | |
Tseng | ET4000 | ISA | × | |
DiamondM | Viper 2M | VL | × | |
DiamondM | Viper 2M DAC Bt485 | PCI | × | デュアルCPU○ |
#9 | Imagine2-128 4M | PCI | ○ | Win2Kでスレーブ時はBIOSジャンパー取る |
Matrox | MGA-II 2M | PCI | × | |
Matrox | Millenium OEM 2M | PCI | ○ | |
Matrox | P650 | AGP | ○ | |
IOdata | GA-SV432 32M | PCI | ○ | デュアルCPU× |
IOdata | GA-SV432 32M | AGP | ○ | デュアルCPU× |
Canopus | Spectra3200 | AGP | ○ | 3.3VAGP専用 |
Canopus | Spectra5400 | AGP | ○ | 画質が良い |
ATI | Xpert98 8M | PCI | ○ | デュアルCPU○ |
ATI | RagePro 8M | PCI | ○ | デュアルCPU○ |
ATI | RagePro 8M | PCI | ○ | デュアルCPU○ |
ATI | RageIIc 2M | AGP | ○ | デュアルCPU○ |
ATI | FireMV 2200 | PCI | ○ | |
ATI | RADEON 7000 | AGP | ○ | Win2kで90度回転× |
ATI | RADEON 9000 | PCI | ○ | |
ATI | RADEON 9000 | AGP | ○ | |
ATI | AIW RADEON | AGP | ○ | TVチューナー付き |
Intel | i740 8M | AGP | ○ | 3.3VAGP専用 |
Intel | 810Echipset | - | ○ | |
Intel | 815chipset | - | ○ | |
Aopen | V3800M TNT2 | AGP | × | |
ELSA | Synagy force GF256 | AGP | ○ | |
ELSA | GLoria4 750XGL | AGP | ○ | |
ELSA | Quadro NVS280 | PCI | ○ | |
ELSA | Quadro FX3000 | AGP | ○ | |
玄人志向 | GF4MX400 64M | AGP | ○ | |
DELL OEM | Nvidia GForce2 Ultra | AGP | ○ | |
DELL OEM | Nvidia GForce3 Ti500 | AGP | ○ |
DVIとRGB
- DVIとアナログRGBは、マルチディスプレイに関しては違いはない
- DVIとアナログRGBの両出力端子を持つカードは1枚でデュアルディスプレイができるが,たまに排他利用のカード(GA-SV432等)があるので注意
縦型ディスプレイ
- ディスプレイに回転ユーティリティが付いているものが20世紀にはあったが,ほとんどがWin98/NTのみ対応だ.
- ビデオドライバーによる90度回転対応は2000年頃から.
- nVidiaのドライバーはWin2KもWinXPも同じように回転できる
- ATIのドライバーはWinXPでは回転するが,Win2Kでは回転できない場合がある
3画面以上のマルチディスプレイ
- MATROXの一枚のカードで3画面以上出力できるものは特に問題なし
- カード毎にベンダーを変えるとドライバーが競合しないので3枚以上の組み合わせでも問題が少ない
- 楽勝なのはWinXPでATI + nVidiaの組み合わせ
- これは楽勝すぎて面白みの無い組み合わせだが,現在の私のメインマシンはこれ(RADEON9000+NVS280)で4画面出力を実現している
- S3+Matrox+#9+ATIなんていうマニアックな組み合わせ(CRTを使っていた頃の私のメインマシン)もOK
- nVidia系複数挿しかつ各カードから2出力は鬼門
- nVidia系同士では同じ型番のカード(AGPは二つないから必然的にどちらもPCIかPCI-eになる)でないとドライバーの競合が起こる可能性が高い
- GeForce2/3系2画面出力のAGPカードとNVS280 PCIカードでは片方を認識しなかったり,2出力あるはずのカードが1出力になったりでダメだった
- 今のところ異型番nVidiaカードで上手く行った例はELSA NVS280 PCI+IODATA GA-5200/PCIでの各2画面合計4画面出力のみ
- このうまく行く場合でも,ドライバーのインストール順はNVS280->GA-5200でないとうまくない.逆順ではそれぞれのカードが1出力になる
- IODATA GA-5200/PCIの代わりに同じ5200チップのELSA GLADIAC FX 534LP PCIを使った場合はELSAのカード同士なのにうまくない.NVS280側が1出力になってしまう
- つまり各カードが1出力だけすれば良い場合は,nVidia系同士でも難易度が低くなる
linuxのマルチディスプレイ
- XFree86 4.0以降はマルチディスプレイが可能
- Windowマネージャーが各ディスプレイ毎に存在
- ディスプレイをまたがるクライアントウィンドウは作れない(現在は可能かもしれないが未確認)
- 90度回転は可能だが,マルチディスプレイで使えるかどうかは未確認
(続く)
WUXGAとDVIシングルリンク