比例道
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diary/20060903

やっと涼しくなったが

9月になってやっと涼しくなってきたが,今年の夏は昨年より暑いように感じた.何でも地球温暖化のせいにするのはどうかと思うが,普段より暑かったり変な天気に出会ったりすると地球温暖化のせいではないかと思ってしまう.地球温暖化の予想進行速度は地球シミュレーターにより計算されているが,この計算によると温暖化の進行はかなりゆっくりだ.この計算に従うとすると数年間のスパンで体感できる変化はないはずだ.今年の暑さや変な天気は単なるランダムなブレの範囲なのだろうか.予測が何かひどく間違っていて,温暖化進行速度を低く見積もりすぎているのではなければ良いのだが.
近代の科学では,提案した仮説を正しいと示すためには,数学的な証明か繰り返し実証可能な証拠が必要だ.それらがない仮説は却下される.地球温暖化の進行速度が現在の予想よりももっと早いという仮説を立てたとして,それを証明するにはそれなりのデータが必要だ.そうでなければ変な宗教の教祖のお告げと同格と見られてしまう.北極シベリアで異常な状態が観測されているが,これらはまだ地球温暖化の進行速度予測値を変えるほどのデータとはみなされていない.
地球温暖化の度合いを地球の平均気温の上昇で表わす場合が多いが,これだけで判断するのは適切ではないかもしれない.温暖化の影響として気象のばらつきが大きくなることも指摘されている.ばらつきとは例年より大雨が降ったり,ひどい干ばつになったり,巨大な熱帯低気圧が発生したりすることを指す.温暖化の代表値として平均気温を用いるのは一見合理的に思えるが,この値だけで判断するのはどうかと思う.温暖化の影響は平均気温よりも,気象のばらつきの方がより実際的に表わせそうだ.シベリアの気温が5度も上昇するとか,極地の氷が融け出しているとかはばらつきの影響とすれば説明できる.