比例道
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diary/20060930

遺伝子組み換え作物

私はずぼらな性格上,遺伝子組み換え作物を気にしていなかった.ところが,大学関係の会合で生物学科系の研究者と接してから考えが変わった.あれは危ないぞと.遺伝子組み換えの作業は干ばつ耐性を付けるとか農薬耐性をつけるとかのある目的を持って行うのだが,何と何をどう組み合わせたらその目的に沿うものができるかのメカニズムはよく分かっておらず,片っ端から試してみて結果を評価して組み換え作業の成否を判断する.博打とさほど変わらない.これでは出来上がったものが安全かどうかなどが保証できるはずがない.もし安全を証明したければ想定される危険の可能性をすべて確かめなければならないが,時間を経てから現れる危険性まで全て検証できるはずもなく,実質的に安全性の保証は不可能だ.遺伝子組み換え作物を食べるのは危険だ.これに関しては捕鯨にヒステリックな反応をするので大嫌いな団体であるグリーンピースがよくまとめてある.
生物学系の研究者は二言目には「研究費が足りない」と言う.研究など紙と鉛筆と少々のポケットマネーがあれば大丈夫と思っている我々には,以前からこれが不思議だった.ところが彼らの研究が博打の一種だと知ってから納得した.誰よりも早く当たりを引くには,お金をかけて多くの試行をした方が有利だから,結局研究費勝負になるのだ.なんだかなー.これって知的とは言えない生業に思える.山師と何が違うのかなあ.そういえば,天文学者や考古学者も何だか山師風だし,私の頭の中にある研究者像ってのは理学とか数学とかにひどく限定されたものだったかもしれない.