比例道
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diary/20061022

VAIO RX53 電源故障

VAIO RX53(2001発売)が壊れた.電源スイッチを押してもうんともすんとも言わない.このようなシンプルな壊れ方は修理が楽というのが定説だが,果たしてそうだった.おそらく電源系だろうと予想して中を見てみた.M/B上の電解コンデンサには膨らんだり,変色したりしているものはない.これは電源ユニットそのものだろうと,手持ちの電源と交換してみるとあっさり復活した.VAIOが普通のM-ATXケースならこのまま電源を換装しておしまいなのだが,独自ケースなので普通の電源はそのまま付かない.歴代VAIOでは最も人気のあるRXのケースだが,ここは思い切ってケース交換に踏み切ることにした.RXのケースはデザインは良いのだが,HDDのシャドウベイが2個しかないこと,HDDの冷却がプアなこと,CDDのフロントパネルがSONY純正の曲線状のものを要求することなど拡張性が悪い.普通のATXケースの方がいろいろと都合が良い.
中身を使っていない手持ちケースからよさげなのを選んでRX53の中身を収めた.RZ72Pを入手してからRX53のフロントパネル端子はお役ご免になっていたので,PCI3のカードスロットやらモデムの類はとっぱらってしまった.こうなってしまったらVAIOのM/Bもただの標準M/Bだ.さくっと組みあがったのだが,ケースを入れ替えられたVAIOの恨みか,問題が発生した.VAIOオリジナルケースでは電源ユニットファンの回転数監視に使われていたM/B上のFAN3ピン端子に通常の8cmファンをつなげたのだが,回らない.回らないだけでなく,回転数が0だとBIOSハードウェアモニターがエラーメッセージを吐いて起動してくれない.普通のBIOSならばハードウェアモニターは項目ごとにIgnoreを選べるのだが,VAIOのBIOSはファンが回っていないとIgnore選択操作を受け付けないという不思議な仕様だったのだ.RX53はもう1台持っているので,そいつのBIOSでも確かめたが,やはり同じ動作をする.これは仕様と言うよりバグに近い.仕方がないので,別のRX53の電源を一時的に外してこのM/Bにつなぎ,電源ファンが回転している間にBIOSメニューを操作して電源ファン回転数監視をIgnoreに変更して解決した.
VAIOの電源を換装する場合,ファンの回転数モニター端子が外側に引き出されている電源ユニットを使うのが吉というノウハウが手に入った.興味が出たので,手持ちの30台のマシンの電源ユニットを調べてみるとSeasonicのSS-400とSGX-460が回転数モニター端子が外側に引き出されていた.試しにこいつを組み上げたATXケース入りVAIOに入れてみると,うまく動いた...訳ではなく,今度はファンの回転数が低すぎてBIOSがエラーを吐く.SSもSGXも静音電源なので回転数は1000rpm前後だったのだ.VAIOの甲高い音を発生する電源ユニットファンは可変スピードだが,2〜3000rpm程度で回転するのが通常だ.これより低いとエラーとみなすようだ.SS-400やSGX-460ではVAIO M/Bをだませないことが分かった.ただ収穫もあって,この作業の過程で回ってさえいれば回転数が低くてもBIOSメニューはIgnoreへ切り替え操作できることを新たに発見できた.予備のRX電源を持っていない場合は,SeasonicのSSやSGXシリーズを使えば,ハードウェアファンモニターをIgnoreへ切り替えることができ,その後で好きな電源を使えば良いと言うことだ.