比例道
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diary/20061110

AK-47が5億丁

ヒストリーチャンネルの「撃つためデザイン」でAK-47が特集された.
高信頼性の秘密はすき間だらけの機関部にあることが解説されていた.川に隠していた銃がそのまま撃てること,錆びついた銃でも作動すること,薬莢が腐食している弾でも撃てるなどの高信頼性にまつわる実話が披露されていて感心した.この番組で新たに知った事実は,1947年から作られた最初のAK-47は機関部が鋼材からの削り出しで製造されるため生産性が悪かったということだ.さすがのミカエルカラシニコフ氏も最初からパーフェクトなものを作ったのではなかった.機関部が大量生産向けのプレス加工で製造できるようになったのはずっと後だ.この量産性向上が幸い(災い)して,現在世界に出回っているAK-47とその派生銃は5億丁にもなるそうだ.世界人口が60億だか80億だから,女子供を含めても20人いたら1人はAKを持っている勘定になる.平和ボケした日本に住んでいる者には想像もつかない.
番組には米軍訓練チームのAKの発射時の映像もたっぷり集録されていた.屈強な兵士であってもオート射撃のときは反動で銃身が上にブレているのがよく判る映像だった.AKの命中率が悪い理由が納得できる.カラシニコフ氏がAKを撃っている映像もあったが,老齢の氏はオートではなく単発撃ちをしていた.しかし,氏の前腕部には老人とは思えない筋肉が付いている.オート射撃も楽々こなせるのかもしれない.あれだけの悪魔の兵器を作ったのだから設計者の氏は憎悪の対象になりそうなものだが,西側諸国でも氏を悪く言う人は少ない.氏のまじめな性格とソ連邦英雄となっても質素な暮らしをしていることによるのだろう.