比例道
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diary/20070511

松岡正剛千夜千冊万物理論

松岡正剛千夜千冊遊蕩篇1180夜をじっくり読んだ.ひさびさにエキサイティングな知的興奮を味わった.その中で「科学は「宇宙という全世界がアルゴリズム的に圧縮可能だ」という極端な信念に支えられてきたということになる。」部分と長沼伸一郎氏の「西洋の科学は2体問題のみに執着しすぎた」という部分が重なった.真の宇宙の姿は複雑系(3体以上の問題)によって表現されるという部分で2者の論調は重なる.私が普段から心のなかでもやもやとしている「西洋的科学はあまりに現実を一般化しようとして簡単化しすぎているのではないか」という疑問に対して,これらふたつの論者はヒントを与えてくれているように思える.難しいのは承知しているが、今後も複雑系に挑みつづけようと改めて思った.
それにしても,近代の学会は複雑系に取り組むことに臆病なようだ.その理由は複雑系は本質的に難しく有限時間内に得解できないからに他ならないが、難しいことにチャレンジしてこそ科学であろうにと思う。この感想を抱いているのは私だけではあるまい.