比例道
| フロントページ | 新着 | 一覧 |
<-domain ijino tamedesu

diary/20070809

FONとは何か

FONという言葉を最初に聞いたのは去年だった.そのときのイメージはUUCPを使っていた時代のようなバケツリレー型のネットワークを専用の無線アクセスポイントを使って草の根的に構築するものなのかなあ,うまく行くのかなあと思っていた.これがまるっきり勘違いであったのは最近分かった.FONについて詳しく調べ始めたのは九十九電機でFONルーターが1980円で売られているのを知ったときだ.無線ルーターとしては異常に安い.これはもしかしたらお得に使えるのではないかと思い,FONのサイトでマニュアルを読んでみた.なるほど分かった.要するにFONというのは
ブロードバンド接続された自分の無線APをみんなに提供するから,代わりにみんなのAPを自由に使う権利をもらうよ
ということなのだ.無線LANでバケツリレーする訳ではなかった.その後FONに関するWikipediaを読むと,このFONの使い方をするユーザーをLinusということも分かった.他にもBillとAlienというユーザータイプがあるのだが日本ではLinusのみということだ.Wikipediaを読んで驚いたのはFONはベンチャー会社が利潤を追求するためにやっているということだ.Linusユーザーだけでは利潤は上げられないが,BillとAlienユーザーが居れば収入が発生する.シンプルなビジネスモデルだが,成功するかどうかは大博打だ.なかなか度胸のあるベンチャーキャピタルがいるらしい.とは言え,伊藤忠も出資しているとのことだから勝ち目はあるとふんでいるのだろう.FONのAPはFON Mapsで確認することが出来る.環八の内側では結構な密度でAPがある.我が家のそばにも数個存在する.一方田舎ではAPは少ない.住宅の密度が違うから当たり前だが,田舎ではまずAPは見つからない.現状ではFONの提供エリアとプロバイダーやキャリアが提供している公衆無線LANサービス(ホットスポットとか呼ばれているもの)の提供エリアとはかなり重複している.Linus形式のユーザーにとっては一度登録したら永久に無料で使える(自宅のプロバイダー契約は解約できないが)というメリットがあるので,人によっては月額1000円程度の公衆無線LANサービスよりFONを選ぶ人が居るかもしれない.果たしてFONが生き残るのか,公衆無線LANサービスが生き残るのか,それとも共存していくのか,中々に興味深い.