比例道
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diary/20090224

偶然製造された村正のように切れるカミソリ

私は髭剃りに替え刃式のSchickカミソリを使っている.使いはじめて20年以上になる.20年の間にホルダーも替え刃の方もいろいろなものを試してきた.いろいろ試したがあまり違いはなく,刃が新品のときは良く剃れるが,だんだん切れ味が悪くなってきて刃を交換するというパターンは同じだった.ところが今使っている替え刃は驚くほど切れる.この替え刃をヒゲにあててみると,まるで皮膚の上を柔らかいプラスティックの棒が滑っているように感じる.ところがこれでヒゲが剃れているのだ.どうやらこの替え刃には偶然にとても切れる刃が付いてしまったようだ.替え刃は工作機械で大量生産されるものだが,部材の組成が良かったのか,研磨の刃物の当たり方が良かったのか,熱処理時の冷却が良かったのか,とにかく何らかの偶然が重なって,このような切れる刃ができたのだろう.それをたまたま私が買い求めたということだ.この替え刃は散髪屋さんが使うカミソリよりも切れる.散髪屋さんのカミソリではヒゲにあてるときにゾリゾリという感触があるが,この替え刃は皮膚の上を刃がスムーズに滑っていく感触だけだ.非常に心地良い.もしこの替え刃と同じ切れ味の刃が再び入手できるのであれば,2倍の価格でも買うと思う.でもこの替え刃は偶然の産物.もう二度と手に入ることはないだろう.