CTLでシステムトレード(旧為替の一歩)
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考察:超初心者が負けない理由

FXで破綻する方法としては「ストップをいれない」「ナンピンをする」が良く知られている.これらは超初心者が本能のままに自然に実行してしまう方法でもある.しかし,この超初心者手法は意外に強い手法なのだ.
一般にFX相場を動かす原因となるのは,買い方/売り方の投げであることは勝ち組投資家には常識となっている.だから勝ち組投資家は概ね大衆の逆に張るのだ.そして大衆のストップを刈り,自分が張った方向へ相場を動かし,利益を得る.この場合の大衆とはテクニカルは一通り理解し,チャートパターンも覚え,ポジションを建てるときには必ずストップを置くような人々を指す.これらのテクニックを身に付けている人は超初心者ではない,FXの初級者あるいは中級者と呼べる人だろう.これらの人々のおかげで勝ち組投資家は儲けることができるのだ.
それではストップを置かない超初心者から勝ち組投資家はお金を奪うことができるだろうか.それはかなり難しい.超初心者はストップを置かないから,投げさせるためには証拠金不足による強制ロスカットに追い込む他に方法はない.超初心者がレバレッジを2〜3倍で取引していたら(そういう場合は多い),数百pipsの動きでは強制ロスカットに追い込むことはできない.超初心者が投げるのは1年に1回あるかどうかの大相場のときだけだ.最近では2008年の夏に始まったクロス円の大暴落がそれに当たる.あれから1年以上経過したが2008年夏のような大相場は発生していない.つまり,2008年秋以降にポジションを建てた超初心者は1年以上も負けていない(含み損はあるかもしれないが決済していないので実損にはなっていない)のだ.つまり勝ち組投資家から資金を奪われたこともない.
この超初心者が負けない理由を知ってか知らずか,実際に負けない手法を編み出したのが「だいぱぱ」が提唱する「だいぱぱ手法」だ.この手法は初心者から圧倒的な支持を得ている.損切りをしない手法だから絶対に負けないのだ.またレバレッジを1倍程度で取引しているので,大相場になっても強制ロスカットはない.私はこのだいぱぱ手法を初めて知ったときは「インチキ教祖がでたらめな方法を布教している.まったくけしからんことだ.」と思ったのだが,よくよく考えてみてこの手法は確かに負けないことに気付いた.驚きである.
しかしだいぱぱ手法は長期トレンドが出てしまうと,含み損を何年も(もしかしたら永久に)抱えることになってしまう.たとえばポンド円が240円だったときや,ランド円が18円だったときにだいぱぱ手法を行ってしまっていたら,半永久的に含み損のポジションを持ち続けなければならなかったはずだ.そこがだいぱぱ手法の致命的な欠点なのだが,そんなことになる確率はどれくらいあるだろうか.現在12円のランド円が6円くらいに急落し,この先永久に10円を超えないなんてことが起こる確率はゼロではないが,限りなくゼロに近い.つまりだいぱぱ手法が破綻する可能性は非常に小さいのだ.
だいぱぱ手法と同じようにでたらめな手法とみなされている手法にM2Jのトラップリピートイフダンがある.これもトレンドが出れば容易に破綻してしまう手法だ.ただし,レバレッジ1倍になるように実践すれば,損切りする必要はなくなる.トレンドが出れば含み損の状態に半永久的に陥ってしまうが,決済さえしなければ負けはない.だいぱぱ手法と同様,トラップリピートイフダンも初心者から圧倒的に支持されている.
だいぱぱ手法もトラップリピートイフダンも絶対に負けないようにトレード出来る方法なのだが,私はどちらも実行しようとは思わない.なぜなら含み損になる方向に長いトレンドが発生したら,下手をすれば投資資金を10年以上も塩漬けにしなくてはならないリスクがあるからだ.20年分のチャートを月足で眺めてみると,このリスクは避けがたいことが分かると思う.

2010/02/01 補足
だいぱぱ手法はマーチンゲール手法と性質が似ている.どちらもたいていの場合少しだけ儲かる.ごくまれに不運が続くと大きく損をして破産してしまう.トラップリピートイフダンも性質は同じで,たいていの場合(=トレンドレス)は少しずつ儲かる.しかしまれに大きなトレンドが来ると破綻してしまう.