FXでサヤ取りが無意味な理由
まえがき
FXでサヤ取りがしたくてこのサイトに来た方には気の毒だが,現在FXではサヤ取りは全く意味のないものとなってしまった.商材でFXのサヤ取りと称しているものは残念ながら全て役に立たない.書籍でFXのサヤ取りモノが新刊で出ていないこともFXでサヤ取りが無意味になっている事の証明である.
サヤ取りとは
羽根英樹さんの「サヤ取り入門」を始め,良く書かれている本がたくさん存在するので,買い求めるか,図書館から借りて読まれることをお勧めする.せっかちな人のために誤解されるのを恐れずに一言で言うと,「値動きに類似性がある商品2種の片方を買い,片方を売り,商品間の価格の差(差也)の変化から利益を得る方法」となる.
なぜFXでサヤ取りが無意味なのか
FXでサヤ取りができると未だに勘違いしている人たちは,「EUR/JPYを買い,GBP/JPYを売る」ことをサヤ取りと呼んでいたりする.しかし,よーく考えるとこれはEUR/GBPを買うことと同義であることが分かる.手数料やスプレッドを考えると,EUR/GBPを買う方がはるかに有利である.
過去にはFXでサヤ取りが有効だった時期があった
上記のようにFXではサヤ取りは無意味なのだが,つい最近までFXでサヤ取りが有効だった時期はあった.それはくりっく365業者が7通貨ペアのみを扱っていた時期のことである.くりっく365ではドル円とクロス円6通貨ペアしか売買できなかったため,もっともメジャーな通貨ペアであるユーロドル(EUR/USD)すらも売買できなかった.そこで,くりっく365でユーロドルを売買するためにEUR/JPYを買って,USD/JPYを売るということが行われていた.正確には通貨の実価値を等価にするためEUR/JPY 2枚につきUSD/JPYを3枚取引しなくてはならなかった.これがサヤ取りと同じ取引形態のため,この形態でのFXのサヤ取りは意味のあるものと認められていた.ところが2008年の秋からくりっく365の取り扱い通貨が劇的に増えたため,このような面倒なことをする必要はなくなった.直接ユーロドルを売買すれば良くなったのである.同時にサヤ取りの必要性もなくなってしまったのだ.