P55CマシンでAAR1210SAを使う
DECのMMX Pentium200MHzマシンCELEBRIS FX-2が現役である。Win98と
linuxのdual bootで使っている。現役と言っても非力なのであまり役に立って
いる訳ではなく、最新マシンでは速過ぎて遊べないDOSのゲームをする
ときくらいしか活躍の場は無かった。
CPUの消費電力(16W)がPentium-M(TDP21W)より小さい
マシンなので常時通電のファイルサーバーに仕立てたかったが、
古いBIOSのせいでIDEの容量上限が8GBなので諦めていた。
そんなとき、AdaptecのSATAカードAAR1210SAが安値で入手できたので、
これを使って大容量ファイルサーバーを構築することにした。保存する
データはテレビを録画して溜め込んだ数百GBのMPEG2ファイルだ。
ディスクはSATA 250GBを2台積むつもりだったが、ケースを開けて
電源を見ると+12Vが最大3Aだった。ディスク1台で12Vを0.9A消費するので
2台は危険だ。電源が飛ぶと替は入手できそうにないので、止むなく
250GB一台で運用することにした。電源が心配なので元から入って
いた4.3GB IDE HDDは外すことにした。最終的には
SuSE Linuxで目的は達したが、それまでかなり試行錯誤した。
その試行と挫折の様子を記述した。
RedHat8,9で挫折
AAR1210SAにはRedHat7.3/8およびSuSE8.0/8.1のドライバが附属し
ている。RedHat8はメディアを所有しているので、早速試してみた。
RedHatのCDでブートして、附属ドライバを読ませると簡単にAAR1210SAを
認識してしまった。パーティション設定やパッケージ選択を経て
インストールを開始すると必ずフォーマットでこけてしまう。
ディスクのVerifyや再フォーマットをしてみたがダメ。
同じディスクとカードをPentium Mの最新マシンのセットすると
フォーマットを完了できることから、FX-2固有のトラブルのようだ。
試行錯誤の結果100GBまでならフォーマットが完了することが分かり、
もったいないがこれでいくことにした。
インストール後に起動するとaar1210ドライバモジュール読み込み時
にエラーになってしまい、起動できない。
Rescue CDで起動してaar1210ドライバをマニュアルで読ませると
起動する。なぜだろう。
原因を追及するのは面倒なので止め、adaptecのサイトに上っていた
RedHat9用のドライバを使ってRedHat9で試してみることにした。
すると現象は全く同じだった。フォーマットは100GBまでしかできないし、
インストールは正常終了するが、起動時のドライバモジュール読み込み時
にこける。エラーメッセージにはunresolved symbolとある。
Rescue CDで起動して
depmod -a -b /mnt/sysimage 2.4.20-8
などとやってみるが改善しない。ドライバディスクのドキュメントや
インストール用バッチファイルを見てみるとi686とathlonにしか
対応していないように読める。i586(MMX Pentium 200MHz)なのが
原因なのかもしれない。ソースがあればi586対応の
モジュールをコンパイルすることも可能なのだが、
adaptecはバイナリしか配布していないので、ここは諦めることにする。
Fedora Core 3でも挫折
adaptec配布ドライバがi586に非対応だから
こけているのだとしたら、
adaptec配布ドライバが不要なディストリビューションなら
大丈夫じゃないかと思い、Fedora Core 3を試してみた。
予想通り、ブートCDだけでSATAカードとHDDを認識してしめたと思ったが、
その後繋がっていないhdf/hdgを探索に行って、しばらくした後に
割込みエラーで落ちてしまう。これもダメだった。
SuSE 8.1は入手できない
AAR1210SAの附属ドライバが対応しているもうひとつの
ディストリビューション
SuSE linux 8.0/8.1を試そうとしたが、どこのFTPサイトにも残っていない。
8.1のディレクトリには最新版を使えというテキストファイルがあるだけだ。
これも挫折。
SuSE 9.1で可能性を見出す
しかたないので、雑誌の付録の
SuSE 9.1を試してみた。こいつはBoot CDだけで
AAR1210SAを認識した。ところが、
インストーラーはディスクの認識の後でこけてしまう。
SuSE 9.3はどうやってブートするんだ
SuSE linuxに可能性を見つけたので最新版の9.3を試そうとしたが、
ブート用のイメージファイルxxx.isoがFTPサイトに見当たらない。
これはFTP版がないということなのか?
おそらくそうではないだろうが、
面倒なので調べずに諦める。
SuSE 9.2にて成功
ブート用のイメージファイルがFTPサイトから入手できる
9.2を試してみた。これはAAR1210SAを認識して
インストールまで無事に終了する。
その後の起動も問題ない。sambaも最初から入っている。
やれやれ。これでFX-2も無事にファイルサーバーとして
活躍できる。めでたしめでたし。
その後
FX-2のNICはオンボードのDEC21143でturipドライバで動く。
スループットは実測値で50Mbpsだ。MPEG2ファイルをネットワーク
経由で視聴しても全く問題ない。これは便利だ。
HDDの残エリア130GB強がもったいないので、ここにSuSE linux以外の
ディストリビューションがインストールできないかいろいろ試してみた。
- Fedora Core4: FC3と同様SATAディスク認識で落ちる
- Turbo Linux10:インストール途中でフリーズ
- Solaris 10:同上
- debian(woody):同上
どうやらSuSE linuxがインストールできたのは僥倖だったようだ。
試しに残エリアをSuSE linuxからパーティション確保してみたら、
これが成功してしまった。確保したパーティションを/etc/fstabに追加して
めでたくディスク全領域の利用が可能になった。
今日(2005/9/17)SuSEのサイトに行ってみたら、SuSE9.3のFTP版が
ダウンロードできるようになっていた。
SuSE10のOSS版もダウンロードできるようになった。面倒だから
入れ換えないけど、起動はSuSE9より早くなったという報告がある。
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