2002年夏にAopenから真空管搭載マザーボードが発表されました。国内外で話
題になり、いろいろなところで取り上げられました。日本では
100枚がAopenジャパンから限定直売され、私は運良く手に入れることができまし
た。2003年1月にはその後継モデルが発売されて、これを入手しようと考えて
いる人がいるかもしれません。が、真空管マザーは全くお薦めできません。
それはなぜか。
出力レベルが低すぎることにつきます。ヘッドフォン端子に高能率のものを接
続しても小さな音しか出ません。かといって後段に外付けパワーアンプ
をつなげると、音はそちらで決まってしまい、真空管アンプの意味がなくなっ
てしまいます。このことはインプレスウォッチの「槻ノ木隆のPC実験室」でも
言及されています。槻ノ木さんはそれでも好意的な記事を書いていますが。
槻ノ木さんと私が使っているヘッドフォンは同じでオーディオテクニカの
ATH-T3,4です。
能率108dB/mW、インピーダンス32Ωです。これは通常のヘッドフォン(90〜
104dB)に比べてかなり高い能率です。それでも音は小さすぎるのです。他に能率は
悪いがインピーダンスのもっと低いヘッドフォンATH-EQ5,102dB/mW, インピー
ダンス20Ωや、TH-380AV,104dB/mw,インピーダンス22Ωも使ってみましたが、
音はさらに小さくなりました。オーディオテクニカだけでなく、ソニーの録音
モニター用やウォークマン用、ビクターのAV機器用など手持ちのものを全て動
員しても無駄でした。もちろん、普通のスピーカーもつなげてみましたが、耳
をコーン紙にくっつくようにしなければ鳴っているのすら分かりませんでした。
音が小さいとどんな音楽でも楽しめません。真空管マザーを買う
お金で、普通のマザーボードと良質の真空管ヘッドフォンアンプが
買えます。そちらの方が断然お薦めです。