比例道
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diary/20060608

社内PHS

以前の職場では内線電話を廃止して,社員全員にPHSを配布していた.このPHSは自営モードで運用されていて,会社の敷地内だけがサービスエリアだった.許可を得た社員は公衆モードも使えるよう端末を設定でき,会社の外では通常のPHSとして通話できた.このPHSシステムは社員には好評だった.社内のどこにいても自分宛の電話を取ることができた.PHSの電話帳に番号を覚えさせることができるので,取引先に電話するのにいちいちアドレス帳をめくる必要もなくなった.
ところがこのPHSシステムは他の部署には広まらなかった.ひとつはコスト高であることが理由だ.固定電話であればそうそう壊れることはない.10年くらいはノーメンテで動くことが期待できる.ところがPHSは内蔵の充電池が劣化するので定期的に交換しなくてはならない.PHSそのものも物理的な衝撃や圧迫で壊れる事がある.もうひとつは他人の電話をとれなくなったことだ.みんなPHSを持ち歩くので,出張等で出かけた人宛にかかってきた電話は物理的に誰もとれない.そもそもかかってきたことが分からない.そんな訳でPHSの導入は広まらなかった.今の職場では昔ながらのボタン電話機だ.会議室にいるときは,誰かが取り次がなくては電話に出ることができない.携帯に転送しておいても会議室は圏外だったりする.ボタン電話にも電話帳機能はあるらしいが,登録が面倒なので誰も使えていない.かなり不便に感じる.ITだ何だと騒がれる割に,社内電話のようなインフラは中々変化しないものだ.