比例道
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diary/20061107

安易なラックマウントサーバー導入は危ない

私の身近なところでのラックマウントサーバー導入事例を見ると,うまく行ってない,あるいはコストに見合うメリットを得られていない事例が半分ほどある.
うまく行ってない事例はサーバーの熱故障だ.これはラック構造が主な原因だ.ラックによっては正面に風を通さない扉を持つものがある.これではサーバーユニット自体がいくらファンを回しても冷えない.冷えなければボードやHDDの故障頻度が上がる.正面扉が網になっている良質のラックであっても,サーバーユニットを満載すればKWオーダーの熱を発生する.サーバー室空調の空気の流れをうまく設計していないと,過熱で故障を誘発してしまうこともある.
コストに見合うメリットを得られていない事例はラックに1台しかサーバーユニットが収まっておらず,将来増設の予定もないような場合だ.ラックの耐震工事は結構なコストがかかる.通常のタワー型ケースを縦置きすれば耐震工事は簡単なもので済む.タワー型を横置きにして良いならさらに簡単で済み,家具用の粘着ゴム版でも十分な耐震性能を得られる.
ラックマウントのメリットは場所を効率的に利用できること,サーバーユニットの追加が容易なこと,複数のサーバーの耐震工事がラックの工事で済むことだ.これらのメリットが重要でない場合はラックマウントサーバーの導入は見送った方が良い.同じ耐久性の部品で組んだら,狭いところに部品を詰め込んでいる1Uサーバーと,広い空間に部品が配置されいているタワー型サーバーを比べると,タワー型の方が信頼性が高いのは自明なのだ.