比例道
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diary/20070127

耐震強度偽装のメカニズム判明

今回の耐震強度偽装疑惑の問題点は、水落建築士が過重を基準値の半分で算出していたからであることが報道された。要するに自分の都合の良い値を使ったのだ。じゃあ、基準値とされる1平方メートルにつき180キロと水落建築士が使った1平方メートルにつき100キロのどちらが正しいかというとどちらでもない。これらはあくまでも目安なのだ。基準値の180キロには目安であると注釈がある。100キロの数値の根拠は93年の日本建築学会の指針であるとのことだ。それなりの前提とロジックで算出したのであろうからこれも立派な目安だ。倍近くも違う値がどちらも立派な目安となっていることを咎める連中もいるだろうが、昨日のエントリーでも述べたように計算なんてものはこういうものと理解すべきだ。数値が少々大きいとか小さいとかで騒ぎ立てるのは愚かなことだ。もっと物事の本質をみなくてはいけない。本来100キロでも良いところを180キロを目安としているのなら、現在の基準値は安全率を1.8とっていることになる。もうちょっと大きい方が安心だとは思うがまずまずの値だ。昨日のエントリーでは基準値の決め方がおかしいのではないかと述べたが、これは違っていた。基準値も安全率も合理的な値であると思う。
となると、今回の問題は2点に絞られたことになる。安全率を見込んで180キロに決めた目安を水落建築士が無視したことがひとつ。これは処罰を受けるべきだ。もうひとつは安全率が1.8見込まれているのだから基準強度の0.71であっても実は騒ぐ必要はないのに鬼の首でも取ったかのように騒いでいる連中がいることだ。補強工事をしないと建物が使えないと騒ぎ立てている。もちろん、補強工事をすることはより安全になる方向だから反対する理由はないが、補強工事無しの状態では欠陥建物だと断言するのは間違っている。