比例道
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diary/20080105

ハッピータイガー戦記II 逆襲の虎 B29殱滅作戦

図書館から借りてきた逆襲の虎を読んだ.最後のクライマックスはもちろんタイガー戦車でB29の基地に殴り込みをかけ,100機以上ものB29を全機破壊するという痛快なストーリーだ.しかし,本編の80%は鉄道工兵についての記述であり今まであまり知られていなかった戦場での鉄道の様子が細かく記述されている.本書はそういう意味では資料としての価値も高い.SPWaWでは日本軍のAFVの中に全然役に立ちそうにない装甲車がいくつかあったが,それが鉄道の線路も道路も走れる両用装甲車だったとは本書を読んで初めて知った.鉄道線路は動かせないから敵の攻撃目標になったらひとたまりもなく役立たずになるだろうと思っていたが,実は爆弾で破壊してもすぐ元に戻せること,敵の制空権下での稼働率は自動車や船舶よりも高いことを知り驚いた.日本の99式8センチ高射砲がドイツの88mm砲のデッドコピーであることは松本零士の戦場まんがで知ってはいたが,砲弾が本当にタイガー戦車の88mm砲に使えることも分かった.ただし本書では璢弾のみの補充であった.純粋高射砲の弾なのだからこれは当然のことで,松本零士のまんがではM4戦車に対して同高射砲で徹甲弾を撃っていたのに比べリアリティがある.
本書のおかげでSPWaWでタイガー戦車と日本の鉄道用装甲車でチームを組んで英軍と戦うシナリオを作るという楽しみができた.借りられて良かった.本書は世田谷中央図書館の保管庫に保存されているので,ネットで申し込めば誰でも借りることができる.戦記に興味のある人にはお薦めの一冊である.