比例道
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diary/20100203

プリウスのブレーキがきかない

新型プリウス(2010年モデル)のブレーキが一瞬効かなくなる苦情が出ているそうだ.米で102件,日本でも国土交通省へ14件が報告されている.中には事故につながった例もある.国土交通省はトヨタへ調査を指示したとのことだ.プリウスは油圧ブレーキと回生ブレーキを備えている.回生ブレーキとは走る力でモーターを回転させ,ブレーキングしながら充電をする仕組みだ.油圧および回生ブレーキの制御はコンピュータにより行われている.今回の件はブレーキ制御にバグがあるのだと思う.
もちろん,トヨタでは開発時に厳重なテストを繰り返してブレーキ制御に問題がないことを確認しているはずだが,そのテストに見落としがあったのだろう.調査を指示されたトヨタは今頃は必死になって状況の再現テストをしていることだろう.新聞によると「道路のくぼみや滑りやすい路面」でブレーキが効かなくなることがあるそうだ.この道路状況と運転者の何らかの操作が引き金となってブレーキ異常が発生していると思われる.どうもトヨタでのテストは,あらゆる路面とドライバーがやりそうなあらゆる操作の組み合わせをテストし切れていないと思われる.私がテスト担当者でもあらゆる路面とあらゆる操作の組み合わせはテストできないと思う.そんなことを確認していたら新車の開発に何年もかかってしまうからだ.
飛行機も自動車もコンピュータ制御がどんどん取り入れられてゆくが,制御が複雑になればなるほどソフトウェアのバグ問題の解決が難しくなっていくと思う.私のように今でもキャブレター装着車しか運転しない人間に言わせてもらうと,「車の作りを1970年台に戻せば(排ガス規制除く)良いのに」と思ってしまう.昔は素人でも車いじりが出来て楽しかった.