古い記事閲覧は左メニューの日記一覧200xか,右上のサイト内検索をご利用ください.
2013以降のブログ書き込みは[Wordpress比例道]にあります
2012以降のブログ書き込みは[Blogger比例道]にあります
2007/01/27
耐震強度偽装のメカニズム判明
今回の耐震強度偽装疑惑の問題点は、水落建築士が過重を基準値の半分で算出していたからであることが報道された。要するに自分の都合の良い値を使ったのだ。じゃあ、基準値とされる1平方メートルにつき180キロと水落建築士が使った1平方メートルにつき100キロのどちらが正しいかというとどちらでもない。これらはあくまでも目安なのだ。基準値の180キロには目安であると注釈がある。100キロの数値の根拠は93年の日本建築学会の指針であるとのことだ。それなりの前提とロジックで算出したのであろうからこれも立派な目安だ。倍近くも違う値がどちらも立派な目安となっていることを咎める連中もいるだろうが、昨日のエントリーでも述べたように計算なんてものはこういうものと理解すべきだ。数値が少々大きいとか小さいとかで騒ぎ立てるのは愚かなことだ。もっと物事の本質をみなくてはいけない。本来100キロでも良いところを180キロを目安としているのなら、現在の基準値は安全率を1.8とっていることになる。もうちょっと大きい方が安心だとは思うがまずまずの値だ。昨日のエントリーでは基準値の決め方がおかしいのではないかと述べたが、これは違っていた。基準値も安全率も合理的な値であると思う。
となると、今回の問題は2点に絞られたことになる。安全率を見込んで180キロに決めた目安を水落建築士が無視したことがひとつ。これは処罰を受けるべきだ。もうひとつは安全率が1.8見込まれているのだから基準強度の0.71であっても実は騒ぐ必要はないのに鬼の首でも取ったかのように騒いでいる連中がいることだ。補強工事をしないと建物が使えないと騒ぎ立てている。もちろん、補強工事をすることはより安全になる方向だから反対する理由はないが、補強工事無しの状態では欠陥建物だと断言するのは間違っている。
2007/01/26
京都アパホテル耐震強度偽造疑惑
また耐震強度偽造疑惑騒ぎでうんざりだ.うんざりしているのは偽造ではなく,このような単純明快なことであれこれ騒ぐ連中のことだ.構造物の強度は手間さえ惜しまなければ,いくらでも精密に測定・計算できる.改ざんしただの,言ったはずだいや言わないだのガタガタ言わずに黙って測定・計算すれば良い.真実はひとつだ.
耐震強度疑惑騒ぎのときに話をややこしくするのが,CADやらコンピューターを盲信している連中だ.CADの計算はたいていの場合は参考程度にしかならないのを知らないらしい.私はCADは必要があれば使うユーザーであるが,エンジン設計用のCADシステムそのものを作ったCADシステム製作者でもある.私のCADシステムはお絵かきツールではなく,結果は数値で出てくるものだ.エンジンに関わる数値はいろいろなものがあり,それぞれが複雑に絡み合っている.絡み合いが最も分かりやすいのがストローク長だ.ストローク長は自由に選べる訳ではない.ストロークをどんどん大きくしていくと,同じ回転数ならピストンの移動速度が大きくなる.この速度がある値を超えるとピストンリングとシリンダー壁間の油膜が切れて潤滑が破綻してしまう.そのため回転数とストローク長はトレードオフの関係だ.ストローク長を大きくするとコンロッドが長くなって座屈しやすくなるのも問題だ.これを防ぐためにはピストンにかかる力を減らさねばならず,そうなるとピストン径を小さくするか爆発圧力を小さくするしかない.どちらにしても面白くない.こう考えると高回転型エンジンのストローク長が小さいのは極めて合理的な理由からだと分かるだろう.実際問題としてコンロッドの座屈なんてのは些細な問題で,コンロッドにかかる力はそれを受け止めるクランクシャフトに最も影響する.エンジンの中でもっとも頑強に作るクランクシャフトであるが,回転中は爆発の圧力でたわむ(曲がる)のだ.その変形はクランクシャフトを支える軸受けに負担をかけ,軸受けが許容できる範囲内に変形を押さえ込まないといけない.ここでストローク長に戻るがストローク長をとれない場合にピストン径を大きくすることで排気量を確保すると,クランクシャフトの長さが大きくなって変形が大きくなってしまう.長いものほどたわみやすいからだ.さてどうする?うまい具合に目標スペックを満足する数値を決めるのは至難の業だと分かってもらえただろうか.これらはエンジン設計の計算のごく一部であるが,こんな複雑な計算を昔は手計算でやっていたのだ.これらを自動計算してくれるCADシステムを作りたくなるのは当然の欲求だった.CADシステムを作った経験から言うと,強度計算(建築屋は構造計算というらしい)CADの場合,CADシステムが想定しているモデルに当てはまらないモノの計算結果は近似値でしかない.正確に強度計算をしたいなら,実際のモノに当てはまるモデルを作ってそれを計算するしかない.普通はそんなことをする時間(コスト)が惜しいから,近似値を得たあと安全率を乗じてその値を用いる.
で,不思議なのは耐震強度が1.0とか0.8とか言われる建築系計算システムの精度だ.機械ほど設計自由度がない建築物とは言え,いろいろな形のものを作るのであるから,計算システムが想定しているモデルに当てはまるものもそうでないものもあるだろう.その辺りのばらつきを吸収するためには,安全率を大目にとるはずだ.実際それ以外に合理的な方法はない.かなり大きい(2〜3)の安全率を使うべきだ.ところが報道によると耐震強度の基準値を1.0とした場合,0.8だと補強工事が必要になる不良建物だと言う.もし安全率に2を使っていたなら,本当に危ない閾値は0.5であるから0.8でも騒ぐ必要はないのだ.航空機の設計ではあるまいし,結果がたった20%違っただけで破綻するような耐震強度計算式と安全率をどうして使っているのか理解に苦しむ.この耐震強度計算式と安全率の決め方がおかしいと誰も声を上げないのは,建築業界の圧力でもかかっているのか.おかしいのが分からないほど建築家は頭が悪いのか.
ここから先は私の極めて乱暴な意見を述べて本エントリーを結ぼう.建築家なんてものは機械の3次元設計に比べて程度の低い2.5次元の設計しかできない低脳で,おまけに自分を芸術家と勘違いして意味不明なデザインをありがたがる大馬鹿野郎だ.建築家をエンジニアと呼ぶなんてアホらしくてやってられるかい.べらぼうめい.
2007/01/25
焼き入れ焼き戻し
娘のお気に入り番組のザメイキング.今回はあまり面白くなかったらしい.バームクーヘンの回を見た後では目を輝かせてその作り方を私に説明してくれたものだが,今回は作っているものが何であったかすら良く分からなかったようで話があいまいだ.娘のあいまいな話を総合すると,作っていたのはどうも金属の球らしい.油に漬けていたと言っていたので,油による焼き戻しをしていたようだ.ということは炭素鋼だ.大きさは指先くらいだったとのことと,まん丸にするのにがんばっていたとのことから判断するとどうやらモノはパチンコ玉のようだ.娘は油に漬けていたのがなぜかが気になっていたようだ.
これに対して機械屋の私としては,焼き入れ焼き戻しのことを娘に説明して「おとうさんすごーい」と言ってもらおうと思ったのだができなかった.炭素鋼のオーステナイト化やマルテンサイト変態を分かりやすく説明するストーリーを思いつけなかったからだ.さらに油による焼き戻しを説明するためには,冷却速度によるマルテンサイト変態の度合いの違い,冷却速度を変えるために水や油を使い分けること,油と水で冷却速度が変わるのは油の潜熱と水の潜熱の違いによること等々を解説しなくてはならない.9才の子供に分かるように説明するのは難しい.
水の潜熱が他の物質に比べて特に大きいことを言い出したら,我々にとって最も親しみのある液体である水が,実はかなり特殊な物質であることも説明したくなる.冷やしても暖めても体積が増える不思議な物質であること,大気圧で固体と液体と気体が同時存在できる3重点を持つこと,水が液体でいられる温度が地表温度になる位置に軌道を持つことができた地球はとてもラッキーであったこと.おかげで生物が生まれやすかったこと.水について話し始めたらきりがない.
おっと,話を焼き入れ焼き戻しに戻そう.私は焼き入れ焼き戻しに関しての基本的なことは大学に入るずっと前,そう小学生の頃から知っていた.これは私に限ったことではなく,大抵の人は焼き入れで鋼が硬くなることは知っているだろう.焼き戻しをすると少し硬さは減るが,ねばさが向上することも良く知られている.さらに物知りな人は焼き入れで早く冷やすとより硬くなることも知っているだろう.焼き入れに関する物理現象が機械屋でない一般人にも誤解なく知られていることは,ネットのせいで誰もが実を伴わない頭でっかちになりがちな現代社会においてはかなり驚くべきことだ.
ネットで情報を収集するのが一般的になっている現在では,物事の本質的な意味を理解することなく,表層的な言葉を覚えるだけで物事を理解した気になる頭でっかち状態になりがちだ.2,3年前にそれを強く感じたのが「キャッシュフロー」という言葉を正しい意味で理解している人が,その言葉を使っている人の中にほとんどいないと分かったときだ.「キャッシュフロー」の真の重要性は「会社の金庫にほどよく現金がはいっている度合い」を表現できることだ.ところがキャッシュフローを論じている人たちは何か特別な関数の値としてしか理解していない.彼らと話していると,こいつらは会社経営をまるで分かっていないぞと暗澹とした気持ちになった.キャッシュフローという言葉を知らなくてもキャッシュフローの概念を使いこなしている人は中小企業の経営者に多い.私も15年前には小さい会社の経理担当だったからキャッシュフローの大切さは身にしみている.その頃はキャッシュフローなんて言葉は使われていなかったけれど.私の会社では品物の代金を手形で受け取ることがあった.手形は時間が経過した後でないと現金化できない.品物が沢山売れた直後は,品物を作る材料がなくなってしまう.材料を仕入れようにも会社の金庫にあるのは手形であって,現金ではないので材料を買えない.正確には買えないのではなく,材料は届くのだがその支払い期日までに代金を払えない状態に陥る.そのような状況は実際に起こった.手形を割り引いて現金化することもできるが,きつきつの値付けをしていたのでそれでは赤になってしまう.そのとき私はどうしたかと言うと材料を納めてくれた下請けさんに「代金の支払いを待ってください」と頭をさげて頼みに行った.下請けさんはうちよりさらに小さい会社で,このようなことを頼むのはとても心苦しかった.ところが,みんな「いつも世話になっているから」と快く支払いを待ってくれたのだ.涙がでるほどありがたかった.そんな訳で私はキャッシュフローが如何に大切かということを身を持って勉強できたのだ.
おっと,また話が脱線した.話を焼き入れ焼き戻しに戻そう.これら以外に「焼きなまし」「焼きならし」という言葉も存在する.機械屋はこれらの言葉を(何度も使うから慣れて)自然に使い分けてしまうのだが,普通の人は焼き入れ以外は混同するだろうと思う.誰がこの日本語を作ったかは知らないが,もうちょっと区別しやすい言葉にしておけば良かったのにと思う.英語だと焼き戻し=Tempering,焼きなまし=Annealing,焼きならし=Normalizingと明確に区別できるのだが.他にも鉄(iron)と鋼(steel)を機械屋は明確に使い分けるが,普通の人は混同していると思う.この辺りのことも加味して考えると,焼き入れという概念が普通の人にもかなり正確に理解されていることは驚くべきことだと思う.焼き入れの概念に誰もが親しんでいる理由は,鉄器の普及の歴史,家庭で包丁が利用されるようになった時期とその手入れ方法の変遷,鍛冶屋さんが村の人口の比率に占める割合等々の歴史を調べていけば説明できるような気がする.これは面白い調べ物になりそうだ.
2007/01/24
ケースファンの効能
年始めに壊れたPentiumM機の修理が本日完了した。結局修理費用が0円で済む方法を選んでしまった。代えの電源として外付けACアダプター電源は魅力的だったのだが、価格を調べると250Wクラスは1万円を超える価格だった。スマートな形のものは3万円以上する。この価格ではさすがに購入できなかった。そこで、2001年頃に購入したケースについていた通常タイプのATX電源を使った。この電源は450Wで当時にしては大出力なのだが、+12Vが15Aしか出ないため最近のPCを動かすには向かない。しかしPentiumMを動かすには十分だ。ケーブルも長いのでケースの外に引き出してもまだまだ余裕がある。今回の修理パーツにはぴったりだった。壊れたオンボードUSBの代わりに使うUSB I/F PCIカードはジャンク箱の中にあったものを使った。これは新品を購入しても980〜1500円程度だ。
ここまでの修理は1週間前に終わっていたのだが、問題が発生していた。CPU温度が高すぎるのだ。以前はフル負荷でもCPU温度が50度を超えることはなかった。ところが、電源を外付けに変えた状態では、無負荷で35〜40度、フル負荷では70〜75度までCPU温度があがってしまう。PentiumMのデータシートによるとJunction temperatureのMAX値が100度なので限界には届いていないのだが、温度が20度上がったということは半導体の寿命は1/4になってしまうということだ。これはまずい。PentiumM機は使ってないときは動画のエンコードをしているので、負荷は常にフルなのだ。温度上昇の原因は明らかで、このケースについているファンはCPUファンを除くと電源ファンだけだったからだ。そのファンが付いている内蔵電源を外してしまったものだから、ケースはファン無しになってしまっている。ケース内の空気の動きがなければ、いくらCPUファンを回したところでCPUは冷えない。ケースファンを付けようにもケースにはファンを増設できるような仕掛けはない。どうしたものかと悩みながら1週間使っていたが、今朝HDDがガリガリと異音を発生させ始めた。これはいけない。CPUの高温のとばっちりでHDDが壊れてしまう。しかたなく、かつて内蔵電源が取り付けられていた位置にジャンク箱から見つけた8cmファンを無理矢理付けてみた。エアフローは排出方向とした。取り付けねじ穴の位置が合わないので、かなり無理がある取り付け方になったが、とりあえず固定はできた。PCを起動してCPU温度をはかってみると無負荷で35度、フル負荷で49.5度となった。やれやれ、やっと安心できる。買っても300円程度の安物ファンで風量は大したことはないタイプだが、それでもケースファンがあるとないとでは冷却性能は大違いということだ。
2007/01/18
DVDの画質の悪さに呆然
DVDが普及してずいぶん時間が経過したが、私は実はDVDのコンテンツをまともに見たことがなかった。今日初めてDVDのコンテンツを見た。0083 stardust memoryだ。15年前に購入した0083のLD(CAV)は何十回と見たので画像はすべて記憶しているが、それに比べてDVDのあまりの画質の悪さに呆然とした。ビームの光が飛び交うシーンなど、見辛くてとても鑑賞に堪えない。DVDが普及し始めた頃、映画MATRIXの画質についてネットでいろいろな議論がなされていて、DVDを見たことがない私にはその議論がピンと来なかった。しかし今日は、そのときのみんなが騒いでいた問題点が理解できる。MATRIXも0083もフレーム間の差分が大きく、MPEG2が苦手とする映像なのだろう。このひどい絵ならみんな騒ぐ訳だ。
0083について言えば、LDとDVDの画質の差は私的には許容範囲外だ。DVD映像を見るときの違和感は。VHSの3倍モードを我慢して見ているのと大差ないと言うか、3倍モードよりさらに不快だ。内容を知る目的には使えるが、鑑賞の目的にはとても使う気になれない。LDがDVDに変わって何がうれしいかと言ったらメディアサイズが小さくなったことやメディアのコストが下がったことだ。市販DVDの価格を考えるとコストのメリットはユーザーには還元されてはいない。結局、メディアサイズを小さくした(プレイヤーサイズも小さくなるが)のがDVDのユーザー貢献だ。たかがサイズのためだけに画質を犠牲にするとはユーザーにとって本当にうれしいのか、LDからDVDへの移行は技術の進歩と言えるのかどうか考えさせられた。私であれば、LDがいい。DVDはいらないと言うだろうな。