長いこと点訳ボランティアをやっている.誰かのためになることをするのは良いことなんだが,エンジニアとして今の点訳ボランティアの方法に疑問を持っている.それは「点訳は機械翻訳可能」ってことだ.なのに人手でやっているのが現状だ.普通の文字を6点の点字に変換するなんて,小学生のプログラマでも書けるソフトだ.問題は点訳特有の「分かち書き」をどうするかなんだが,これも巨大分かち書き辞書を作ることができれば,コンピュータで処理可能になる.じゃあ,おまえが作れと言われそうだが,「作って良いのかね」と思う.もし,本当にこれを作ったら,日本中で何万人もいる点訳ボランティアの人の生きがいを奪ってしまうことになりかねない.点訳やっている人って高齢の人が多いから,生きがいを奪うのは問題だと思うのだ.まあ,どのみち辞書はひとりの力では完成させられないから,私がどうがんばっても協力者がいない限りできないんだが.

この議論を目の見えない人としたら「つべこべ言わずにとっとと作ってください」って言われそう.私の視点は目の見えない人側じゃあなくて,ボランティア側に傾倒しているんだよなあ.それはそれでおかしい.