「FPGA」カテゴリーの記事一覧
2月号の電子情報通信学会誌が珍しく面白い
私はメカ屋なので,日本機械学会と日本ロボット学会に所属しているが,電子情報通信学会にもなぜか入っている.先週2月号が送られてきたが,小特集が”FPGAを用いた計算処理の高速化技術”だった.これが面白い.FPGAの設計技術のキモは40年前のマイコンプログラミング技術とイメージが似ている.というのも,定型の解はなく,アプリケーション毎に基本から考えなければならないという点がそっくりだ.
また,FPGAを使うとGPUより消費電力性能比が良いソリューションが得られるという点も強調されていて,この辺りは説得力がある.
私は計算にGPUを使うのを世界で一番早く行ったのだが,論文にしなかったので誰もそのことを知らない.私が始めたころはGPUはAGPバスだった.しかし,消費電力(発熱量)の点からGPUを使うのは地球環境に良くないことを,たぶん誰より早く気付いて,GPUを使うのを止めた.並列処理はFPGAを使う方が筋が良い.設計はGPUを使うのよりも難しいけど.
レベルの低い国立機関
私は客員研究員でおじゃましているんだが,横の会議室で怒鳴り声がする.金が足りない,話が違うと叫びあっている.LSIの製造を丸投げで下請け会社に発注したが,仕様をどんどん変更するものだから,当初の見積より金額がかさんでしまい,その金を出せ,出さないでもめている.発注元にはLSIを設計できる技術者も研究者もいない(私を除く).だから丸投げ.
設計してくれと私に頼んでくれば,設計しないこともなかったのだが,頼まれなかったので手も口も出さなかった.外様の私に頼むのはプライドが許さないのだろう.私に頼まなかった時点で,こうなるだろうとは思っていたが.無能同士が怒鳴りあっているのを見るのは本当に空しい.こんな連中が国民の血税を無駄遣いしていると思うと,腹立たしい.ほんと,親方日の丸の連中はクズばかりだ.
Vivadoキャンペーン価格と為替
去年も今の時期になるとVivadoの安売りキャンペーンをやっていた.もうすぐライセンスが切れるので,キャンペーンを使ってVivadoの更新をすることにした.お得なのだ.付き合いのある代理店が2社あるので,両方にキャンペーン価格を聞いてみた.同じだろうとは思ったが念のためだ.そしたら,2社で価格が違っていた.無視できない差だ.なぜだろう?と思ったが,安い方に注文した.
後で知ったのだが,価格の差は為替のレートの差なのだそうだ.Vivadoの価格はドル建てではどこの代理店も一緒だ.ただし,適用する為替レートが代理店毎に違うので,円建ての価格は変わってくるのだそうだ.為替レートは今の銀行の仲値ではなく,納品時のレートを予想して決めるのだそうだ.なるほど,違う訳だ.
中国共産党の魔の手がLatticeに伸びる
FPGAの市場はXilinxとAlteraに二分された感があるが,昔はLatticeも低価格FPGAとツールで頑張っていた.買収されると聞いたときは「儲かってないだろうから仕方がないのだろう」と納得したものだ.ところが買収しようとしているファンド(この時点で怪しいと思うべきだった)が中国政府から出資されていることが判明した.LatticeのFPGA技術を軍事利用するつもりらしい.米当局はこの買収に待ったをかけた.当然だ.まったくチャンコロは油断も隙もあったもんじゃない.常に悪事を企んでいる.
相変わらずISEを使っている私
XilinxのVivadoの素晴らしさに触れて感化されたはずだったが,手元にあるのはSPARTAN-6とVirtex-6のボードばかり.結局ISEを使ってしまう.Artix-7の設計で,ボタンとLEDとUARTだけだったが,綺麗にLEDが光る回路を実習したので,それをSPARTAN-6のボードに移植してみた.LEDのON/OFFが逆極性なのと制約のOFFSET INPUT/OUTPUTの指定幅が逆なの以外はそのまま動いた.まだまだISEから卒業できそうにないなあ.
初めてXilinx 7シリーズを使う
特に困ってなかったので,Virtex-6とSpartan-6を使い続けて来たが,タダでArtix-7の評価ボードをもらえたので,初めて7シリーズの設計を行ってみた.7シリーズはISEではなくVivadoだ.Vivadoも初めてだ.概ねISEの知識で使えるのだが,制約ファイルがucfからxdcに変わっていたのはびっくりした.業界標準のsdcに合わせたとのことだ.VivadoはISEより使いやすい.ISEはISEだけでなく,PlanAheadとかXPSとか色々なツールの集合体で,それぞれのツールの使い勝手が微妙に違って使いづらかったが,Vivadoではそんなこともなくなった.統一インターフェースで使いやすい.動作速度も速いみたいだ.これはデバイスを7シリーズに移行した方がよさそうだ.7シリーズだとARMコア内蔵のものもあるし,色々作りやすいんじゃないかと思う.
半年ぶりにPlanAhead
やれ過去のプログラムのデバッグ,やれ査読と雑用が続いたが,やっと時間ができたので,FPGAをいじることができた.PlanAheadは半年ぶりに起動する.PlanAheadからSetup ChipScopeを使ってインプリメントして,ChipScopeを使うのは楽ちんだ.
世の中はVivadoに移っているらしいが,私はまだSpartan-6を使っているので,Vivadoには移行しない.どんどん時代遅れになっている気もするが,RTL設計は普遍の概念だと思うので,しばらくこれで進もうと思う.
PlanAheadでmicroblazeのひな形をつくるのにhttp://fpgade.blogspot.jp/2015/12/blog-post_10.htmlが役立った.